旅行の計画を立てるとき、「せっかくなら自然の絶景を満喫したい」「ありきたりな観光地より、ちょっと変わった場所に行ってみたい」と思ったことはありませんか?特に和歌山県のように自然豊かなエリアを訪れるなら、その土地ならではの特別な景色に出会いたいものですよね。
とはいえ、「どこが見応えあるのか分からない」「写真映えする場所って実際にどんな雰囲気なの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなあなたに向けて、和歌山県内で注目されている奇岩・名岩・岩礁スポットを厳選してご紹介します。
さらに、各スポットにまつわる歴史や成り立ち、地元で語り継がれる伝説や民話など、訪れるだけではわからない“背景”も一緒にご紹介しています。
和歌山の大自然が生み出したダイナミックな景観を通して、この地域の魅力を再発見していただけたら嬉しいです。自然が好きな方、写真を撮るのが好きな方、そして心が癒される旅を求めている方は、ぜひ最後までご覧ください。きっと、次の旅先リストに加えたくなるスポットが見つかるはずです。
和歌山でおすすめの岩10選!橋杭岩・円月島・白崎海岸など人気観光地
- 橋杭岩
- 一枚岩
- 円月島
- 白崎海岸
- 海金剛
- 高池の虫喰岩
- 紀の松島の奇礁奇岩
- ひき岩群
- 天柱岩
- ソビエト
橋杭岩

和歌山県串本町の海岸にある「橋杭岩(はしぐいいわ)」は、大小約40本もの岩柱が一直線に並ぶ壮観な景観が特徴です。その姿はまるで橋の杭が立ち並んでいるようで、この名が付けられました。
約850メートルにわたって続く岩この奇岩群は、海底火山の活動により生まれたマグマが冷えて固まり、その後の浸食で形作られたと言われています。橋杭岩のスポットの最大の見どころは、「朝日が昇る際の絶景」です。特に晴れた日の早朝には、岩々がシルエットとなり、背景の海と空が赤やオレンジ色に染まる光景は息をのむ美しさを放ちます。
また、「干潮時」には橋杭岩の「周囲を歩くことができる」ため、その巨大さや形状を間近で観察することができます。岩肌の荒々しい質感や並び方の正確さには自然の力強さを感じることができ、写真撮影の人気スポットとしても知られています。
円月島

白浜町の海に浮かぶ「円月島(えんげつとう)「」は、中央に丸い海蝕洞が開いているのが特徴的な岩島です。正式名称は「高嶋」ですが、その形状から円月島と呼ばれています。特に夕暮れ時に、洞窟越しに沈む夕日が美しく、多くの観光客を魅了します。
円月島の見どころは、「夕日が島の洞窟を通り抜ける瞬間」です。特に晴れた日の夕暮れ時には、洞窟の丸い穴越しにオレンジ色に輝く夕日が沈む光景が広がり、訪れた人々を魅了します。この絶景は「和歌山県の夕日100選」にも選ばれており、多くの写真愛好家がその瞬間を求めて訪れます。
季節や時間帯によって見え方が変わるため、訪れる度に異なる表情を楽しめるのも魅力の一つです。
夏は島全体が緑に覆われ、生命力を感じさせる風景に。冬は静寂な海と島が神秘的な雰囲気を醸し出します(夕日の見頃は、夏は18時30分頃、冬は16時30分頃)
一枚岩

和歌山県東牟婁郡古座川町に位置する「一枚岩」は、高さ約100メートル、幅約500メートルの巨大な一枚岩で、国の天然記念物に指定されています。 この壮大な岩壁は、約1500万年前の火山活動により形成された流紋岩質凝灰岩から成り、風化や侵食に耐えて現在の姿を保っています。
一枚岩は、和歌山県内で唯一選定された日本の地質百選「古座川弧状岩脈」の一部でもあります。 岩壁には「一枚岩の守り犬」の民話があり、毎年4月19日前後と8月25日前後に巨大な犬の影が出現するとされています。
周辺には「道の駅 一枚岩 monolith」があり、一枚岩を一望しながら地元の特産品を使った食事を楽しむことができます。 また、デイキャンプやバーベキュー用品のレンタルもあり、川遊びや自然散策を満喫できます。
アクセスは、JRきのくに線「古座駅」から車で約20分の距離に位置しています。 一枚岩の壮大な景観と周辺の自然美は、訪れる人々に深い感動を与えます。
白崎海岸

和歌山県日高郡由良町に位置する白崎海岸は、真っ白な石灰岩と青い海が織りなす美しい景観から「日本のエーゲ海」と称されています。この地域は「日本の渚百選」にも選ばれており、特に展望台からの眺望は圧巻です。
白崎海岸周辺には「白崎海洋公園」が整備されており、キャンプ場やダイビングスポット、レストランなどの施設が充実しています。公園内の道の駅では、地元の特産品や新鮮な海産物を使った料理を楽しむことができます。
アクセスは、車の場合、阪和自動車道御坊湯浅道路の広川インターから国道42号線を南下し、里交差点を右折後約15分です。公共交通機関を利用する場合、JR紀勢本線紀伊由良駅からバスで約30分ですが、運行は土・日曜、祝日のみとなっています。
白崎海岸は、青い海と白い石灰岩のコントラストが美しく、訪れる人々に感動を与えるスポットです。キャンプやダイビングなどのアクティビティも楽しめるため、自然を満喫したい方におすすめの場所です。
海金剛

海金剛(うみこんごう)は、和歌山県東牟婁郡串本町の紀伊大島に位置する壮大な景勝地です。その名は朝鮮半島の名勝・金剛山に由来し、鋭く切り立った岩礁が特徴的です。これらの岩礁は、海底火山の噴火による火成岩が長年の波の侵食を受けて形成されたもので、ピラミッド形や獅子頭のような巨岩が海面から突き出す姿は圧巻です。
この地域は、昭和58年(1983年)1月に朝日新聞社の「21世紀に残したい日本の自然100選」に選ばれています。 また、吉野熊野国立公園の一部として、豊かな自然環境が保護されています。
海金剛周辺には、ウバメガシをはじめとした潅木が生い茂り、秘境的な雰囲気を醸し出しています。 また、近隣には日米修交記念館があり、1791年にアメリカ商船が大島に上陸した際の歴史的資料が展示されています。
アクセスは、JR紀勢本線「串本駅」からバスで約35分、またはタクシーで約20分です。駐車場も完備されており、約40台の車を収容できます。
訪れる際には、海金剛の壮大な景観とともに、周辺の歴史的スポットも併せて巡ることで、和歌山の自然と歴史を深く感じることができるでしょう。
高池の虫喰岩

和歌山県古座川町にある「高池の虫喰岩」は、その名の通り、無数の穴が開いた奇妙な形状をした岩壁です。このユニークな景観は、長い年月をかけて風雨や流水の侵食作用により形成されたもので、自然の力が生んだ芸術作品とも言えます。
高池の虫喰岩の最大の見どころは、「岩肌に無数に開いた大小さまざまな穴」です。その穴の形や配置がまるで虫が食べたように見えることから、この名前が付けられました。近くで見ると、その独特な模様に圧倒されるほどの迫力があります。また、穴の奥行きや形状が一つひとつ異なるため、じっくり観察していると時間を忘れるほどです。
古座川の川沿いに位置しているため、清流と岩壁が織りなす景観も見逃せません。周辺には遊歩道が整備されており、川のせせらぎを聞きながら散策を楽しむことができます。春には新緑、秋には紅葉と、四季折々の風景が虫喰岩を彩り、その魅力をさらに引き立てます。自然が生み出したこの不思議なスポットは、訪れる人々を驚かせると同時に癒しを与えてくれる、和歌山で一度は訪れてみたい場所です。
紀の松島の奇礁奇岩

和歌山県那智勝浦町に位置する「紀の松島」は、勝浦湾の周囲約17kmに点在する大小130余りの島々の総称です。その美しい海岸美は、日本三景の松島にも匹敵すると称され、多くの観光客を魅了しています。
紀の松島には、自然が長い年月をかけて創り上げた奇岩や島々が数多く存在します。特に有名なものとして、以下の3つがあります。
- ラクダ岩
ラクダが座っているような形状をした岩です。自然の浸食作用によって形成されたこの岩は、訪れる人々の想像力をかき立てます。 - ライオン島
ライオンが伏せている姿に見えることから名付けられた島です。その独特な形状は、自然の力の偉大さを感じさせます。 - 洞窟の鶴島
鶴が羽を広げているような形状の島で、洞窟が特徴的です。その美しい姿は、訪れる人々を魅了します。
これらの奇岩や島々は、遊覧船「紀の松島めぐり」で間近に観賞することができます。約1時間のクルーズで、南紀随一の景勝地を堪能できます。(以下はクルーズの乗り場の場所です)
ひき岩群

和歌山県田辺市に位置する「ひき岩群」は、市街地から約5km離れた丘陵地帯に広がる奇岩群です。これらの岩山は、砂岩地帯に形成され、北側斜面が急峻な絶壁となっています。遠くから眺めると、まるで無数のヒキガエルが天を仰いでいるように見えることから、この名が付けられました。
特に有名なのが「蟾蜍岩(ひきいわ)」と呼ばれる高さ約45メートル、周囲約60メートルの巨岩で、下から見上げると大きなヒキガエルが天を仰いでいる姿に似ています。このユニークな形状から、昭和3年(1928年)に和歌山県の天然記念物に指定されました。
ひき岩群には自然観察路が整備されており、ハイキングを楽しむことができます。所要時間は約3~4時間(昼休憩含む)、歩行距離は約4kmで、高低差は約70メートル(最大標高127メートル)です。市街地近くにありながら、豊かな自然と絶景を堪能できるスポットとして人気があります。
アクセス方法としては、JR紀伊田辺駅から龍神バス龍神線に乗車し、矢矧バス停で下車後、徒歩約1kmです。車を利用する場合、南紀田辺ICから県道208号線を北進し、岩屋観音を過ぎて右折し約1km、または国道42号線から龍神方面への途中を左折し約1kmで到着します。
また、ひき岩群は2015年9月に吉野熊野国立公園に編入され、自然保護の観点からも重要なエリアとなっています。
天柱岩

和歌山県東牟婁郡古座川町に位置する「天柱岩(てんちゅういわ)」は、古座川の対岸にそびえ立つ高さ約80メートルの岩峰です。その名の通り、天に向かって柱のように直立する姿が特徴で、別名「薬研岩(やげんいわ)」とも呼ばれています。
天柱岩は、一枚岩から七川方面へ車で約5分の距離にあり、国道371号線沿いからその壮観な姿を望むことができます。周囲の自然景観と相まって、訪れる人々に深い印象を与えるスポットとなっています。
この地域は、近畿自然歩道の一部としても知られ、ハイキングや自然散策を楽しむ人々に人気のエリアです。天柱岩周辺のコースでは、古座川の清流や周囲の山々の美しい風景を堪能することができます。
天柱岩の近くには、国の天然記念物に指定されている「一枚岩」もあり、併せて訪れることで、古座川町の豊かな自然と地質的な魅力をより深く感じることができるでしょう。
ソビエト

和歌山県すさみ町見老津沖に位置する「ソビエト」は、約5メートル×10メートルの小さな岩礁で、古くから地元の釣り人たちに親しまれています。
この名称の由来には諸説あり、最も広く知られているのは、岩が「そびえ立つ」様子から「ソビエト」と呼ばれるようになったという説です。 また、「ソトガワ」(外側)が転訛したという説も存在します。
2014年、日本政府は領海の基点を明確にするため、158の無名の無人島に名称を付与しました。 この際、地元で長年親しまれてきた名称を尊重し、この岩礁を「ソビエト」と正式に命名しました。
「ソビエト」は無人島であり、観光地としての整備はされていませんが、釣り愛好家の間では知られたスポットです。 アクセスは容易ではなく、地元の船を利用する必要があります。
和歌山の岩(名岩・奇岩・岩礁)についてまとめ
記事のポイントをまとめます。
- 和歌山県は自然豊かな観光地で、奇岩や岩礁が点在している
- 観光の定番地とは異なる、独特な絶景スポットを紹介
- 橋杭岩は約40本の岩柱が一直線に並ぶ奇岩で、朝日の絶景が見どころ
- 干潮時には橋杭岩の周囲を歩くことができ、間近で観察できる
- 円月島は夕日が洞窟を通る瞬間が美しく、写真映えスポットとして人気
- 円月島の正式名称は「高嶋」で、夕日100選にも選ばれている
- 一枚岩は高さ100m・幅500mの巨大な一枚岩で、国の天然記念物
- 白崎海岸は白い石灰岩と青い海のコントラストが美しい、日本のエーゲ海と称される
- 海金剛は鋭く尖った岩が特徴で、自然の力強さを感じられる絶景地
- 高池の虫喰岩は無数の穴があいた岩で、侵食により形成された独特な景観
- 虫喰岩は清流とともに楽しめ、四季折々の風景も魅力の一つ
- 紀の松島は大小130以上の島々からなる景勝地で、遊覧船で観賞できる
- 紀の松島にはラクダ岩、ライオン島、鶴島など動物に見立てた奇岩がある
- ひき岩群は、市街地から約5km離れた丘陵地帯に広がる奇岩群です。
- 天柱岩は、古座川の対岸にそびえ立つ高さ約80メートルの岩峰で、天に向かって柱のように直立する姿が特徴
- ソビエトはすさみ町沖にある小さな岩礁で、釣り人に親しまれてきたスポット
- ソビエトは2014年に日本政府が命名した正式な名称で、由来には諸説ある
和歌山県に点在する名岩、奇岩、岩礁は、自然が作り上げた貴重な遺産です。ぜひこれらの奇岩を巡り、自然が織りなす絶景に心を癒されてみてはいかがでしょうか?
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