「和歌山城前で本を探すならここ」――和歌山市の中心部、和歌山城のすぐそばに位置し、多くの市民に親しまれてきた大型書店「宮脇書店ロイネット和歌山店」が2025年3月16日に閉店していました。
約20年にわたって営業を続けてきたこの大型書店は、文芸書から専門書、学習参考書に至るまで幅広いラインナップを誇り、地元の学生やビジネスマン、観光客にも重宝されてきた存在です。
今回の記事では、閉店の概要やその背景、地域文化への影響、そして今後の跡地の動向について詳しく解説します。
- 宮脇書店ロイネット和歌山店の閉店理由と背景にある業界全体の動向がわかる
- 書店閉店が和歌山市の地域文化や購買行動に与える影響について理解できる
- 今後本を購入できる和歌山市内の主要書店情報が把握できる
- 閉店後のテナント跡地に関する工事状況と今後の見通しがわかる
和歌山城前の宮脇書店(ロイネット和歌山店)が閉店していました

- 閉店の概要
- 閉店の理由はなぜ?データから推測してみた
- 蔦屋書店 和歌山市民図書館による影響はあった?
- 書店の閉店がもたらす地域文化への影響とは
- 閉店後、跡地には何ができる?
- 和歌山市内で今後本を買うなら?書店の一覧
- 閉店に関するネット・SNSの口コミ
- 宮脇書店ロイネット和歌山店の閉店についてまとめ
閉店の概要
宮脇書店(ロイネット和歌山店)閉店の概要は、以下の通りです。
- 閉店日
2025年3月16日(日) - 営業年数
2005年開業→約20年間の歴史に幕 - 場所
ダイワロイネットホテル和歌山 1・2F
概要としては、上記の通り。
閉店のお知らせとして、以下の張り紙がされたようです。
閉店のお知らせ
平素より宮脇書店ロイネット和歌山店をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
当店は、諸般の事情により
2025年3月16日(日) をもちまして閉店する運びとなりました。
お客様には大変ご迷惑をおかけしますことをお詫び申し上げますとともに、これまでのご支援に心より感謝申し上げます。宮脇書店ロイネット和歌山店
和歌山市のダイワロイネットホテル1階の県内屈指の宮脇書店が閉店したんやね…
— ken助 (@UmeMikanWaKaYaM) March 20, 2025
今後跡地にテナント入るのかなぁ
最近和歌山市内を車で運転してても空き店舗ほんとに増えてます🤔 厳しい世の中やね💦 pic.twitter.com/LynpbqabQw
閉店の理由はなぜ?データから推測してみた

閉店理由について、データから推測してみました。
背景 | 詳細 |
---|---|
① 書店総数の急減 | 全国の書店は1996年 20,880店→2023年 10,918店と48%減少。 年間600店規模で閉店が続いています。 参考:出版科学研究所 全国的に、書店が閉店しやすい状況となっている(今回の閉店もその流れの中の1つと言える) |
② EC・電子書籍の伸長 | 2024年の世帯あたりネット書籍購入率は48.3 %(総務省家計調査)。大型書店の“棚の出会い”がオンラインへ移行している。 |
③ コスト構造の重圧 | 400坪クラスの家賃+人件費+在庫回転率低下→地方都市の売上では吸収困難となっている。 |
④ 蔦屋書店 和歌山市民図書館による影響 | 蔦屋書店 和歌山市民図書館により、来店者が流出した可能性(詳細は後述) |
上記の通り。今回の閉店について、店舗側は明確な理由を公表していませんが、書店業界全体としての苦境や、蔦屋書店 和歌山市民図書館により来店者が流出した可能性が背景にあると考えられます。
蔦屋書店 和歌山市民図書館による影響はあった?

2020年6月、南海和歌山市駅前「キーノ和歌山」に誕生した「蔦屋書店 和歌山市民図書館」は、和歌山市民図書館・蔦屋書店・スターバックスが併設されており、夜21時まで年中無休という“滞在型”サービスを打ち出しました。
無料Wi-Fiと学習席を備えた居心地の良い空間は若年層や観光客を一気に吸収し、ビジネス書や学参を買っていた宮脇書店のコア客層が流出したとの指摘もあります。
和歌山市民図書館の来館者は旧市立図書館の約4.7倍(旧図書館18万人/年、新図書館80万人/年)となっており、中心市街地の購買動線が駅側へと再編されたと考えられます。
駅直結の利便性と“本+体験”の新業態が読書行動を変えたことは、宮脇書店ロイネット店の来店頻度減少に少なからず影響したでしょう。
書店の閉店がもたらす地域文化への影響とは

書店の役割は、単に本を販売するだけではありません。情報を得る場、知識を深める場、好奇心を広げる場として、地域の文化的なインフラでもあります。
とくに宮脇書店のような大型店舗では、各分野の専門書が手に取れるだけでなく、雑誌や最新刊、趣味本、学習書などのリアルな“棚の出会い”が存在していました。インターネットでは得られない、偶然の出会いと発見がそこにはありました。
その場がなくなるということは、情報の受け取り方、知的体験の在り方がまた1つ狭まるという意味でもあります。
閉店後、跡地には何ができる?

宮脇書店ロイネット和歌山店の閉店後は何ができるのでしょうか?
宮脇書店が退去したダイワロイネットホテル和歌山(モンティグレ)1・2階区画は、ホテル運営会社が2025年4月初旬〜9月末にかけてテナント入替工事を行うと公式サイトで告知しています。
工事の目的は「1〜3階テナントフロアの再編」で、館内全体を停電する休館日(7月13〜17日)も設定されており、大規模改装であることが分かります。ただしホテル側はテナント入替工事をすることは告知しているものの、新テナントの詳細は公表していない状況となっています。(公式サイト告知より)
現時点で確定しているのは「テナント入替工事が進行中で、秋ごろまでに新テナント概要が公表されるであろう見通し」という点のみで、跡地に何ができるかは続報を待つ必要があります。
和歌山市内で今後本を買うなら?書店の一覧
和歌山市内で今後本を買うなら、以下のような書店があります。
店名 | アクセス | 住所 |
---|---|---|
蔦屋書店 和歌山市民図書館 | 南海和歌山市駅直結 | 和歌山県和歌山市屏風丁17番地 |
TSUTAYA WAY ガーデンパーク | 南海「紀三井寺」車10分 | 和歌山県和歌山市松江字向鵜ノ島1469-1 |
未来屋書店 イオンモール | JR「和歌山大学前」直結 | 和歌山県和歌山市中573 イオンモ-ル和歌山 1F |
宮脇書店和歌山店 | 和歌山バス「大橋」または「雑賀道」で下車後、バス停から徒歩3〜4分 | 和歌山県和歌山市広瀬中ノ丁2丁目97 |
閉店に関するネット・SNSの口コミ

ネットやSNSでは、宮脇書店ロイネット和歌山店の閉店を惜しむ、以下のような口コミが見られます。
今年の3月16日で閉店しまうそうです。まさか和歌山で最も有力な大型書店さんがなくなってしまうとは…他の書店さんが全て閉店してしまっても、ココだけは最後まで生き残る。くらいに思っていたのに……
https://maps.app.goo.gl/ofBx7oiJrfVgCwHGA
和歌山では一番と言ってもいいほど品揃えが良いと思います。特に画集・資料集の種類の豊富さはビックリします。ガーデンパークにもこんなに置いてないです。なのに3月で閉店だなんてショック…いつもここで本を買って、3階のレストランでゆったりするのが好きでした…お世話になりました。閉店まで出来る限り通わせてもらいますね。
https://maps.app.goo.gl/DodAumCJjh26fCZ87
今日、和歌山市のダイワロイネットホテル館内の宮脇書店へ行くと、3月に閉店とのお知らせがありました。。これで市内の大型書店は無くなり、専門書を扱う店はありません。残念ですね。
— 高野山 青巖寺@南山坊 (@nanzanbou) January 19, 2025
上記のように、ネットやSNSでは、宮脇書店ロイネット和歌山店の閉店を惜しむ声が寄せられています。
宮脇書店ロイネット和歌山店の閉店についてまとめ

記事のポイントをまとめます。
- 宮脇書店ロイネット和歌山店が2025年3月16日に閉店した
- 和歌山城前、ダイワロイネットホテル内の大型書店として約20年間営業
- 店舗には閉店を知らせる張り紙が掲出されていた
- 閉店の理由は明言されていないが、書店業界の全体的な衰退が背景にある
- 全国の書店は1996年から2023年にかけて半数近く減少
- 電子書籍やECの普及により書店の利用が減少傾向
- 大型店舗特有の高コスト構造も閉店要因の一つとされる
- 2020年開業の「蔦屋書店 和歌山市民図書館」が顧客流出の要因になった可能性
- 和歌山市民図書館の来館者は旧図書館の約4.7倍に増加し、駅前へ人の流れが変化
- 宮脇書店の閉店により、和歌山市中心部の専門書を扱う大型書店が消失
- 書店は地域の知的・文化的インフラとして重要な役割を果たしていた
- 店舗跡地はホテルによるテナント入替工事が2025年秋ごろまで進行中
- 新たなテナントは現時点では未発表で、今後の動向が注目されている
- 閉店を惜しむSNSでの声が多く寄せられ、地域住民に愛されていたことがわかる
- 今後本を購入できる書店として、蔦屋書店や未来屋書店、TSUTAYAなどがある
- 「棚の出会い」のあるリアル書店の閉店により、読書体験の場が一つ消えた
和歌山城前に静かに佇んでいた「宮脇書店ロイネット和歌山店」。その閉店は、ただの商業施設の撤退にとどまらず、地域の文化的風景がまた1つ姿を変えた出来事として、多くの人の心に残ったことでしょう。
本屋での時間は、ひとりひとりの人生の中に、確かな記憶として刻まれています。お店がなくなってしまっても、その記憶を忘れずに持ち続けたいものですね。
コメント
近所だけど、売上うんぬんは知らないけど同じ建物内の店が何店舗か引き上げてるのを見ると単純にテナントの契約期間じゃないないですかね?約20年運営したなら有り得そう