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有吉佐和子記念館を訪問しました!アクセス・駐車場・魅力を解説

有吉佐和子記念館に行ってきました その他

​南海「和歌山市」駅から徒歩5分、閑静な住宅街の中にひっそりと佇む「有吉佐和子記念館」。

ベストセラー作家・有吉佐和子の旧宅を移築・復元し、彼女の創作の息吹や人生の軌跡を間近に感じられる空間として、2022年にオープンしました。

無料とは思えない充実した展示に加え、書斎や茶室、和風庭園、さらには純喫茶まで併設されており、文学ファンはもちろん、観光の合間にもふらりと立ち寄りたくなるスポットです。

本記事では、現地を訪れた体験をもとに、アクセス方法、館内の見どころ、訪問時のポイントを詳しくレポートします。

記事のポイント
  • 有吉佐和子記念館のアクセス方法や基本情報(所在地・開館時間・休館日・料金)がわかる
  • 記念館の展示内容や建物の特徴、書斎や茶室などで当時の雰囲気を体感できることがわかる
  • 有吉佐和子の代表作『紀ノ川』や、ニューギニア取材旅行にまつわるエピソードを知ることができる
  • 見学のコツや所要時間、おすすめの訪問シーズン、併設カフェの魅力まで具体的に把握できる

有吉佐和子記念館に行ってきました

  • アクセスと基本情報
  • 記念館の外観
  • 駐車場
  • 玄関
  • 1階:展示室と資料
  • 2階:書斎と茶室で“創作の息づかい”を感じる
  • 庭園
  • 併設カフェ(純喫茶リエール)で余韻を
  • 見学のポイント
  • 有吉佐和子記念館についてまとめ

アクセスと基本情報

  • 所在地:和歌山市伝法橋南ノ丁9
  • 開館時間:9:00-17:00
  • 休館日:水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
  • 料金:常設展は無料
    南海「和歌山市」駅から徒歩約5分、JR和歌山駅からはバスまたは南海電車で10分+徒歩5分と、公共交通でのアプローチが抜群。駐車場も8台分あるのでドライブ派も安心です。​

記念館の外観

記念館は、東京・杉並区にあった有吉邸を丸ごと移築した木造2階建て。玄関に入った瞬間、昭和30-40年代の空気がそのまま時間を止めているようで思わず背筋が伸びます。邸宅をわざわざ紀の川の畔に再現したのは、代表作『紀ノ川』の舞台となった故郷と、創作の現場を “一本の川” でつなぎたい――そんな思いからだとか。

駐車場

駐車場は8台(ゆずりあい駐車場1台)のようです。
駐車場には、有吉佐和子の代表作「紀の川」についての解説の看板もあります。

『紀ノ川』

有吉佐和子の代表作『紀ノ川』は、紀州を舞台に、女性3代(主人公の花、娘の文緒、孫の華子)が、明治・大正・昭和の時代を生きていく様を描いた小説です。有吉佐和子はその情景を、ふるさと和歌山での綿密な取材と豊かな感性により、繊細に表現しています。
紀の川の流れと共に強くたくましく生きた女性たちの物語と、その生き様を見事に紡いだ有吉に想いを馳せながら、有吉佐和子の心の中に流れる青く美しい紀の川を眺めてみませんか。

玄関

和歌山市立有吉佐和子記念館

有吉佐和子記念館は、和歌山市出身の作家 有吉佐和子氏(1931〜1984)が旺盛な創作活動を行い、ベストセラーのすべてを執筆した東京都杉並区の邸宅を、氏の心の中に流れる青く美しい紀の川のそばに移し、その生涯を馥郁たる内面世界にふれることができるよう復元した施設です。当館は、氏ゆかりの資料を展示するなど、郷土が生んだ有吉佐和子氏の業績を顕彰するとともに、市民の文化振興に資することを目的としています。

有吉佐和子記念館の整備にあたり、塚本治雄様の篤志により文化の振興を図り、本市を愛する心を育むことを目的とした事業として「和歌山市塚本治雄基金」を活用させていただきました。

令和4年6月 和歌山市

ニューギニアの木彫りの象が飾られていました。

ニューギニアの木彫りの象についての説明。

ニューギニアの木彫りの象

ニューギニア島から連れてきた象。1968年に有吉佐和子は、文化人類学者の畑中幸子とニューギニア島を訪問しました。この訪問記は、翌年、『女二人のニューギニア』として刊行されました。
この取材旅行中にマラリアにかかり大変だったようですが、現地の人が裸であったことから、有吉はパンツを縫ってあげたというエピソードも書かれています。

この象は、はじめ玄関の中に置かれていましたが、娘の玉青が乗って危ないということで慌てて外に置かれました。

1階:展示室と資料

有吉佐和子記念館公式サイトより引用

1階は、洋間の応接室で、有吉佐和子が新たな作品を創るための出版社との打ち合わせや、記者の取材を受けるときなどに使われていた部屋を再現しているようです。

展示室では、紀州を舞台にした『紀ノ川』、作品にちなみ庭でも育てていた『芝桜』・『木瓜の花』など、有吉佐和子の名作に関する貴重な資料や、アメリカ・中国・ニューギニアなどしばしば海外に飛び出した有吉佐和子が各地で集めてきた資料などを展示しているとのこと。

(華岡青洲の妻の直筆原稿も展示されていました)

なお、1階は残念ながら撮影禁止となっています。

2階:書斎と茶室で“創作の息づかい”を感じる

書斎

階段を上がると、畳8畳の書斎がそのままの姿で現れます。執筆机とベッドが同居する生活感あふれる空間で、『華岡青洲の妻』、『紀ノ川』などはここで誕生したとのこと。
(2階については写真OKとのことです)

有吉佐和子氏の本が並べられています。

和室についての解説。

週刊朝日から書斎で取材を受けた旨を紹介しています。

茶室

隣室の茶室「青庵」は藪内流で学んだ有吉が茶会を開いた場所。炉が切られ、水屋も備えた本格仕様で、文豪の“もう一つの顔”が垣間見えます。

画像出典:筆者

日誌「一の糸」と「アンケート」が置いています。

画像出典:筆者

日誌「一の糸」には、自由に一言が書けるようです。

画像出典:筆者

以下の感じですね。

画像出典:筆者
画像出典:筆者

茶碗と花瓶が飾られています。

画像出典:筆者

茶碗の説明。

画像出典:筆者

花瓶の説明。

画像出典:筆者

庭園

庭園の写真は、以下の感じ。

画像出典:筆者
有吉佐和子記念館公式サイトより引用

蹲や水鉢などが配置された和風の庭となっています。
庭にはつつじをはじめ様々な草花が植えられていて、春に花を咲かせる芝桜や木瓜は、それぞれ 『芝桜』 (1970 年) ・ 『木瓜の花』 (1973 年)小説のタイトルになっています。
両作品は花街 ・ 花柳界で生きる正子と蔦代というふたりの女性を主人公に、前者は若い頃、後者は老境の頃が描かれています。
このように、庭はベストセラー作家 ・ 有吉佐和子の活動の源となっていました。

併設カフェ(純喫茶リエール)で余韻を

1階奥のカフェ「純喫茶リエール」を利用すると、滞在の余韻を楽しがぐっと豊かになります。珈琲の香りに包まれながら窓外の庭を眺めていると、作品の続きを読みたくなります。

純喫茶リエールのメニュー一例
  • ワッフル
  • 九マス弁当
  • 茶粥定食

見学のポイント

見学のポイントは、以下の通り。

項目詳細
所要時間30分以内で回ることができる
撮影可否1階展示室は不可/2階と庭は可
おすすめシーズン芝桜が咲く春、新緑の初夏

有吉佐和子記念館についてまとめ

記事のポイントをまとめます。

  • 南海「和歌山市」駅から徒歩5分、アクセス抜群の場所に「有吉佐和子記念館」がある
  • 記念館は、東京・杉並区にあった有吉佐和子の旧宅を移築・復元した木造2階建て
  • 入館料は無料、2022年6月に開館して以来、多くの文学ファンに親しまれている
  • 駐車場は8台(うち1台はゆずりあい駐車場)あり、車での来館にも対応
  • 駐車場には、有吉佐和子の代表作『紀ノ川』について解説した看板が設置されている
  • 『紀ノ川』は、明治・大正・昭和を生きた女性3代を描いた有吉佐和子の代表作
  • 記念館は、有吉佐和子の内面世界にふれることができるよう復元された施設
  • 和歌山市による文化振興事業として「和歌山市塚本治雄基金」を活用して整備された
  • 敷地内にはニューギニア島から持ち帰った木彫りの象が展示されている
  • 木彫りの象には、有吉がニューギニア取材旅行中に体験したエピソードが関連している
  • 1階は洋間の応接室と展示室で、有吉の資料や直筆原稿などが展示(撮影不可)
  • 2階には書斎と茶室があり、当時のままの生活感が感じられる(撮影可)
  • 書斎には『華岡青洲の妻』や『紀ノ川』が執筆された机や本棚が残されている
  • 茶室「青庵」では、有吉が茶道をたしなんでいた様子も伝えられている
  • 庭園には芝桜や木瓜が植えられ、小説『芝桜』『木瓜の花』とリンクした造り
  • 併設の純喫茶「リエール」で、コーヒーやワッフル、茶粥定食などが楽しめる
  • 全体の見学所要時間は30分以内、春や初夏の訪問が特におすすめとされている

有吉文学のページをめくるたびに感じていた、骨太なエンタメと社会派テーマの裏に潜む「生活者としての顔」。その息遣いを、木の匂いが残る書斎や季節の花が咲く庭から確かに感じ取ることができました。

有吉佐和子記念館は、観覧無料で駅近という好立地ゆえ、和歌山観光の合間に立ち寄るのに最適です。
次は『紀ノ川』を読み返してから再訪しようと思います。

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